【1】心の声「嫌われないように笑っていたら、自分がどこかに行った」
会話の途中で、ちょっとした違和感があった。
「これ、ほんとは違うと思うけどな」と思っても笑ってうなずいた。
相手が望む自分を演じて、空気を合わせる。
——気がついたら、それが癖になっていた。
本音を言ったら嫌われるかもしれない。
距離を置かれるかもしれない。
「めんどくさい人」だと思われるかもしれない。
そう思うたびに、少しずつ“素の自分”を奥に押し込めてきた。
【2】なぜ「嫌われたくない」気持ちが強くなるのか?
■ ① 人との関係が壊れるのが怖い
- 過去に仲良くしていた人と急に疎遠になったことがある
- ひとことの誤解で、距離ができたことがある
そんな経験があると、「本音を出すと嫌われるかも」と慎重になる。
■ ② 自分の存在価値を「人に好かれること」で保っている
嫌われないように気をつけることで、
「ここにいていい」という安心を得てきた。
だから、人に好かれない=存在が危うくなるように感じる。
■ ③ 相手の感情に敏感すぎる
- ちょっとした顔色の変化
- 返事のトーン
- 既読のタイミング
他人の感情に敏感な人ほど、相手を不快にさせないように先回りして動く。
それが積み重なって、自分の感情を置き去りにする癖がついてしまう。
【3】「嫌われるのが怖くて素を出せない」の正体
それは、人を大事に思うあまり、過剰に“守り”に入ってしまった心です。
本当は、
・大切にしたい
・仲良くしたい
・傷つけたくない
その優しさが、自分を閉じ込める壁になっている。
【4】どうしたらいい?——素を少しずつ取り戻すために
■ ① まずは「小さな正直」から始める
いきなり全部の本音を出す必要はない。
「今日はちょっと疲れてる」
「それはあまり得意じゃないかも」
そんな小さな正直を、少しずつ混ぜてみる。
それでも関係が壊れない経験が、自分の中に“安全”を積み重ねていきます。
■ ② 嫌われること=関係の終わりじゃない
嫌われることがあっても、
世界中の人すべてに嫌われるわけじゃない。
「この人には合わなかっただけ」
「違う価値観だっただけ」
そう捉えられると、怖さが少しやわらぎます。
■ ③ 「素の自分」を出せる場所をひとつ作る
家族でも、友人でも、カウンセラーでもいい。
「ここだけは、どんな自分でも大丈夫」という場所をひとつ持てるだけで、
普段の人間関係でも少し息がしやすくなります。
【5】まとめ
「嫌われるのが怖くて素を出せない」
それは、人を大切に思ってきた証拠。
でも、そのやさしさが自分を窮屈にしてしまうことがある。
大事なのは——
いきなり“素”で生きることじゃなくて、
少しずつ正直を混ぜながら、自分に戻っていくこと。
あなたが息を詰めなくてもいい場所が、
ひとつでも増えますように。
コメント