「よかったね」と言われた。
そして、ほんとうに、よかったと思った。
でも、そのあとに、
ふと胸の奥がしん…となった。
「なんでだろう。うれしいのに、さびしい」
自分でも説明のつかない感情が、
夜の部屋にひっそり広がっていく。
たとえば、誰かの成功。
応援してたし、心から拍手も送った。
でも、それが自分のことじゃなかったと気づいた瞬間、
置いていかれたような気がしてしまう。
「祝福」と「孤独」は、同居することがある
人の幸せを願えることは、とても優しい。
でもそのぶん、自分の居場所が空白になる瞬間がある。
「私はどうなんだろう」
「このままでいいのかな」
と、自分の足元を見つめ直すきっかけにもなる。
心は、単純じゃないから
嬉しい=明るい
悲しい=暗い
そうやって色分けできるものじゃなくて、
うれしさの中に切なさが混じっていたり
やさしさの裏に怒りが潜んでいたりする。
それが人間らしさで、
それが“ちゃんと心が動いてる”ってこと。
感情のグラデーションを否定しないで
「よろこびきれない自分は、性格が悪いのかな」
なんて思わなくていい。
矛盾した感情があるときほど、
人の心は“深く”なっている。
うれしいのにさびしい。
それは、あなたの中にたくさんの「誰か」が共存してる証拠かもしれない。
どんな気持ちも、
無理にひとつにしなくていい。
その“グレー”に気づけるあなたは、きっとすでにやさしい。
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