「いいよ、行くよ」
心のなかでは「ほんとは行きたくないな」と思いながらも、
つい笑ってそう言ってしまう。
誘ってくれたことはうれしい。
でも、断ったら悪いかな、とか、嫌われたらどうしようとか、
そんな思考がぐるぐるしている間に、もう返事をしてしまっている。
“断れない”は、やさしさではなかった
最初は「人に合わせるのが得意」と思っていた。
でもある日、ふと気づいた。
合わせてばかりいる私は、
いつの間にか自分の“好き嫌い”を感じにくくなっていた。
これは、人のためというより、自分を守るためのクセだった。
NOが言えないのは、相手のため? 自分のため?
相手を思いやって断らないように見えて、
本当は、「嫌われたくない自分」や「波風を立てたくない自分」を守っていたのかもしれない。
それは悪いことじゃない。
ただ、それが続くと、だんだん息が詰まってしまう。
本音を飲み込むたび、心がすり減っていた
小さな我慢は積もる。
しかも気づかないうちに。
だから最近は、「少し考えてから返事するね」と言うようにしている。
それだけで、自分の声がちゃんと聞こえるようになる気がする。
誘いを断れないクセは、優しさのフリをした自己防衛かもしれない。
でも、自分を守る手段は“合わせること”だけじゃない。
ほんの少しだけ、自分の気持ちに正直になるだけで、
人との関係は、もっと自然になれる気がしている。
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